世界中の人間の手を集めて博物館をつくり、平和の施設に、てのひらの作品を設置するのが私の夢である。


by tunisianoyoru

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火との対話。銀の指。

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 現代に生きる我々は、一日のうち多くの時間を、携帯電話やパソコンに向き合っています。
知らず知らずの内に、心の属性が、電気のようにすばやく便利なものに価値を置くようになり、情報に振り回されて、主体を失ってはいないか。

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 美術の世界を見ても、電気を感じさせる作品が多くなったと思います。手法や、手段は自由であってどんなやり方でもいいと思っていますが、表現する作家の心の中は、直接人とぶつかって作用したものや、自然の摂理と対話したもの、又自分自身のありたけの気持ちであってほしい。

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 長い間火を見つめていると、心は火に近づいていきます。心が火に近づくと、火は形を変え、いろんなことを教えてくれます。

 そして、あまり会話をしなくても人の心がわかってきます。遠くの人達の声が近くに感じられる、近くの人達の声が遠くに感じられるようになります。

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 絵の描き方、作品をつくる技術を教える人達はたくさんいます。表現の動機、作品を作る姿勢や、責任の持ち方は、自分自身が選び、そこに身体を置くものであって、他人から教えてもらったり、与えてくれたりするものではありません。

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 それらを作品にするには痛みを伴うものです。もし作家が、制作に何の痛みを伴っていないなら、それは自分の作品との向き合い方を考えるべきかもしれない。表現は自分の体といえるものでなくてはならない。

 作家の作品が持つ人の心を突く力は、テクニックではなく、多くは、作家が心を砕いて、痛みをどれだけ感じているかでしょう。作家が痛みを恐れてはいけないと思います。

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 この作品は10年彫金をされておられる女性の指。彼女が彫金の際に出る銀の端財で鋳造したもの。注文制作。収納ケースには、回転台とオルゴールを付け、『禁じられた遊び』が流れるように設定。ロマンチシズムを恐れてはいけないと思います。現実に向かうためには、非現実の力が必要でしょう。

 お礼に絵を一枚もらうことになりました。
by tunisianoyoru | 2010-05-06 00:12 | 作家活動日誌(第二部)