世界中の人間の手を集めて博物館をつくり、平和の施設に、てのひらの作品を設置するのが私の夢である。


by tunisianoyoru

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巨大ガニ・てのひら彫刻(石膏標本)・てのひら彫刻(触覚)・紙芝居絵本の4つに分けて整理していく。


巨大ガニの作品のなりたち

愛荘町立愛知川小学校の2010年の小学一年生の手101人で構成している。

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でかいので迫力がある。
かわいい。
色が付いている石膏のジェラートのような色合いがおいしそう。
足がセクシー。
アームがカネゴンに似ている。
雲の上にいる感じ。
気持ち悪いかと思ったらそうでもなかった。
人が作品になるのがおもしろい。
構成については子どもが喜ぶような造形をめざした。
子どもたちにとっては良い経験になったと思う。

巨大ガニの本体は石膏でつくってますが、ドリッピングみたいに石膏を垂らしてつくってます。もっと派手に色を混ぜていっても面白いと思います。

問題点 

制作・展示に時間と労力がかかりすぎる。
重く、破損しやすいため非常にあつかいにくい。
でかすぎて保管場所がない。

石膏という素材を使う理由は?なぜ他の素材ではいけないのか?という質問がありました。

光を吸い込む感じは美しいですね。折れたり欠けたりしますが、崩壊する姿も美しいと思っています。人間は完全ではないですし、サモトラケのニケも崩壊しているからより美しいと感じるんだと思います。


てのひら彫刻(石膏標本)について
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石膏標本のリアリズム、作品化された人達の人生観の抽出、写真による作家の感じるリアリティの表現という3点構成を発見したことが大きかった。ここまで来るのに3年ぐらいかかりました。

場所によって展示の形は変わりますが、現時点ではこれが完成形だと思います。

5ミリのアクリルケースの空間をつくりだす力は大きいです。ケースが下の台と一体になっているのでさらに強固な感じが出ます。

作品の中心をケースの中央やや下あたりに持ってくるのがポイントで、そのためにはケースの中に台を置いて中心を上げて立体構成をつくるのが映えるようです。

高さ90cmの台とかちょっと高すぎる台がたくさんあったのですが、展示の高低差のばらつきがいい感じになったりするので、高めの台があっても面白いなと思いました。
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斜めにケースを置いている理由は、観客の歩くルートと視線を考えてケースを正面に向けるより斜めに置いたほうが見やすかったからです。

なぜ写真だけではいけないのか?石膏でいちいち手をかたどりする必要はないのではないか?という意見がありました。

いくつか理由がありますが、ひとつは、実在があるということが私には重要なことで、かたどりには私がどうがんばっても、実際そのままのリアルな形が出てきます。一方写真は、こんなふうに撮ってやろうという作家のリアリティが含まれるものなので、標本のリアリズムと、写真のリアリティというものが両方必要だと思っています。

もし手の写真だけ撮っていたら巨大ガニのような作品は出てこないと思います。
かたどりするとき、一時間ほど応答したり、アンケートを書いてもらったりしながら、コミュニケーションをとることで本人の人生観が伝わってきます。
作家の作品ですが、モデルも作品に主体を持つことができるというのも特徴です。



てのひら彫刻(触覚)・指と粘土のシリーズ。
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作品のなりたち

ほとんど苦しまぎれに製作したもので、粘土に大勢で手を突っ込むだけだが、観客の反応は良かった。
写真は現実にはない風景を作り出すことに成功している。ふだん写真を撮って発表している人達からも好評であった。
拡大写真の展示が好評であり、今後も色々なシリーズに発展する可能性があります。

問題点

時間がかかり面倒な作業が多いのが難点。
冬は寒すぎて制作に向かない。

私の作品の中では、平面に展示できる数少ない作品のひとつです。
意識してませんが、このシリーズはコンテンポラリーアートに近いですね。
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他人の手が介入して作品が成り立つという構造についてはてのひら彫刻と変わらないのですが、視覚に訴える形のリアリズムではなく、触覚に訴える動きのリアリズムだと思っています。

今後の活用については、ヴィデオアーティストとのコラボが決定したり、コンテンポラリーアート展への出品などをしながら、実験を重ねていくつもりです。

個人用にも転用できるし、筒形とか球刑とか大きな作品もつくれそうです。



紙芝居絵本について

デカダンスなシナリオと、奇妙なイラストで構成されるサブカルチャー表現。
駄菓子のおまけのようなものです。全部で24枚。
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作品のなりたち
てのひら彫刻は職人みたいな作業ばっかりで、作家の思いを十分表現することができないため、その反動でやりたい放題に描いている作品。

縦構図なので紙芝居の様式とは合わない、本にもなってないので絵本とも言えない、とりあえず現時点では、紙芝居絵本と言っています。思考時間は長いが、描きはじめたら作業は3日ほどで終わる。作者はけっこうまじめに下書きしていたりする。

絵について
切り絵表現へ向かってもいいのではないか?
小さなコマを追加して漫画風にしたらどうか?
私の絵は技術的には10世紀ほど遅れています。
人の心に残像を残すような絵を描きたいと思っています。
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全体にシナリオはよかったと思いますが、言葉の表現はもっと研究してもいいと思います。
回廊に色味が出たので、展覧会的にはよかった。


反応は年代によってさまざまでした。50歳以下の年代にはおおむね楽しんでいただけたようです。50歳以上の年齢層からの反応はあまり良くなかったです。世代間のギャップがありますね。

この紙芝居絵本、てのひら研究博物館の子ども向け解説パネルを絵本的に表現したものと、フランダースの犬を元にした作家のオリジナル作品ですが、ブログにアップするかどうか検討中です。
by tunisianoyoru | 2011-06-02 09:20 | 作家活動日誌(第二部)
はじめに今回の展覧会の作品の制作日程についてを整理。


2011年 1月の中頃~3月の中頃まで
こどもの手の基本的な型取りとユビのシリーズを制作、大人のてのひら彫刻の制作。


2011年 3月後半~4月後半
巨大ガニの本体制作、同時にDM、フライヤーも制作。

2011年 5月前半、
搬入と展示作業。若林先生に巨大ガニ展示を任せ、小川さんには、写真、てのひら彫刻の展示や解説パネルなどを作成してもらう。私はアームなどの付属パーツ、紙芝居絵本を制作。


総制作時間4ヶ月。1000時間ぐらいでしょうか。1500時間はかかってないと思います。


今回の展覧会で使用した材料について整理する。

展覧会に向けて用意したもの。
石膏が300キロ、色石膏80キロ アルギン酸印象材60キロ、スタッフ5玉、粘土200キロ、塩ビパイプ40ミリ×2mが8本、スプレー6本、写真六つ切り56枚、フォトフレーム56枚、厚み3ミリのアクリルケース19個 大3中6小10  展示台7台

びんてまりの館の設備と備品 
厚み5ミリのアクリルケース付き展示台9台 900×300×300ミリの展示台30台、長机が8台と展示用の布10m 全紙サイズの写真パネルが6枚 子供たちの手の写真のパネル、キャプション 紙芝居絵本のシナリオ等を合せると大小50枚の貼りパネを使用。 

総材料費 50万円ぐらいでしょうか?たぶん100万円はかかってないと思います。



今回の新しい試みについて整理する。

企画面では、地域性、テーマ性を重視して、大勢の人が関わる展覧会となり、生涯学習としては大きな成果があったと言っていいと思っています。


標本のリアリズムだけでなく、参加者の人生観の抽出、作家のリアリティが写真、自由造形、紙芝居絵本で表現できた。様々な観客層、異なる年代層に向けて、様々な角度から展覧会をつくることができました。


巨大ガニは、てのひら彫刻のシンボリックな作品になった。幅5.8m縦2.7m高さ2.3~3.0mというサイズなので保管に困るという課題が残る。今後の活用も検討していきたいと思います。


回廊に絵本かみしばいをてのひら彫刻と一緒に展示。これには賛否両論あったが、私は今回の展示に限っていえば必要だったと思っています。今後は基本的に分離独立させる方向で検討。



今回の展覧会での発見したことについて整理する。


てのひら彫刻の展示について

石膏標本のリアリズム、作品化された人達の人生観の抽出、写真による作家の感じるリアリティの表現という3点構成を発見。


アクリルケースについては5ミリと3ミリの違いがある。5ミリのアクリルケースの空間をつくりだす力は大きい。


照明については、あまりいじらなくてもよかった。びんてまりの展示室の照明は、黄色の電球色で、彫刻の展示向きである。


びんてまりの展示室は、壁は白やグレーでなく、黄色である。これは展示が難しかった。


次回は巨大ガニ・てのひら彫刻(石膏標本)・てのひら彫刻(触覚)・紙芝居絵本の4つに分けて整理していこうと思います。
by tunisianoyoru | 2011-06-01 01:38 | 作家活動日誌(第二部)